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ドローンは航空法上規制を受けていて、規制に該当する飛行をさせる場合は国土交通大臣の許可もしくは承認が必要になる。

これは逆に言えば許可や承認さえ取れば航空法上の問題はクリアーされることになるので、そうなるとあとは全く問題はないだろうという解釈をしたくもなるが、実はそうでもない。

ここでは、あなたがドローンを使って公道の上空を飛行させるビジネスを考えた場合に不可避な”道路使用許可”について検討してみようと思う。

 

ドローンと道路使用許可

新しいビジネスとしてのドローン

たとえばあなたが以下のようなビジネスを考えたとしよう。

ビル建設の建設現場の最上階にいるような人が、隣のビル建設現場最上階になにかものを運ぶときに、現状だといちいち地面に降りて隣の建設現場に行き、そこからまた最上階まで上がらなければならない。

書類や簡単な備品類だけだったら大した重さではないし、それだけで隣の現場の最上階に行くのは非効率的だろう。

それだったらドローンを使ってものを空上輸送するビジネスをすれば建設現場で働く人にもきっと喜ばれるし、需要は相当あるんじゃないだろうか?

いかがだろうか?こんなビジネスがあったら誰しもわくわくするだろう。

このモデルはなにも建設現場だけではない。高層ビルが立ち並ぶエリアではビル同士で簡単に空上輸送ができればいいと誰しも考えるだろうし、実現すれば時間も費用も相当節約できるだろう。

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この場合に、同じ敷地内であればいいのだが、それでは利用者は限定的だし、できればもっとひろげて公道をまたがったビルの上空を輸送しようというケースも出てくるだろう。

今回の論点は”公道をまたがる”だ。

 

必要な許可はドローン飛行許可だけではない

早速ドローン飛行許可をとってこのようなビジネスを始めようと思っても、国土交通省は認めても警察署は簡単には認めないだろう、というのが多くの専門家の意見だし、僕も同様の意見だ。

道路は国民の共有財産、要するにみんなのものだ。道路の使用方法は移動に限定されていて、道路工事や公道上で商売する場合には許可をとらなければあっという間に道路交通法違反で警察署のお世話になるだろう。

そして民法207条の規定で、

土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ。

という規定があるため、上空だからと言ってもその権限は及ぶ。そのため公道の上空は公道と同様の適正手続きをしないといけないということになるのだ。

 

では公道を使用する場合の手続きとは何だろうか?それが”道路使用許可”なのだ。

 

道路使用許可とは?

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道路使用許可は、道路交通法77条に規定されている。

一般的な道路の使用方法(移動手段としての使用)とは違った使用をするのを禁止にして、移動以外の目的で使用する場合は道路管理者と警察署の許可をとらないといけないというものだ。

たとえば道路工事やビラ配り、デモ行進や屋台などは道路使用許可が必要になる。許可を得るためには交通の妨害がないと認められるだけの資料が必要だ。

 

アイコン ペン同様の許可で道路占用許可というものがある。これはビルの看板や、外壁清掃などをする際の足場が該当する。
上空で公道にはみ出してしまう場合は公道の管理者と警察署の許可がないといけないのだ。
後述するがどうやら道路占用許可は静止しているものに対する許可なのでドローンとはなじまないようだ。

 

 

警察署に質問をぶつけてみた結果・・・

現状では前例がないらしい

結論から言えば警察署も自治体の役所も「聞いたことがない」という案件なので、まだ真正面からの回答は出ていないし、そもそも議論の台上にも上っていない。

そのため道路交通法や民法の論点を予め準備して、警察署と役所の道路占用課に素直に質問をしたのだが、・・・なかなか厳しいというのが率直な感想だ。

 

警察署の対応はめちゃめちゃハードだった

まずは警察署の意見を聞こうと思い、道路使用許可の窓口に質問したところ、窓口では対応できない案件なのでということで偉い人に回してくれることになった。

・・・しかし、その対応は全くの門前払いで、法解釈とかのレベルまで話が展開せずに全く相手にしないものだった。

もちろんなんとか突破口だけでも見つけようと思い、粘ってみたところ、

上空を飛行するということは落下物があって通行人にけがが出たらだれが責任とるのか?それであれば道路は通行止めをして飛行させるべきだろう。

というのが唯一確認できた回答だった。くだんのビジネスモデルは通行止めにするほどのものではないし、それでは大げさすぎるだろう。

 

警察の意図とは?

議論さえしてくれないのは面白くはないが、しかし考えてみれば担当の意見はもっともだし当然の回答だろう。

そしてここからわかることは警察署としてはドローンを公道の上空を飛行させることについては完全に後ろ向きだということだ。

ましてや都心部でくだんのビジネスモデルを一つでも認めてしまえば行政行為の平等原則からすべて認めることになってしまうので、簡単に”検討する”と台上にのぼらせることはしないだろう。

 

役所の回答は・・・

警察署の回答をもとに、次は役所に電話をしてみた。

役所の受け付けは「ここが該当するのではないか」ということで道路占用課に回してくれた。

警察署の対応とはちがい、結構はなしは聞いてくれた。

しかし、結論は警察署と同様で前例がないので回答できないし、静止しているものではないのでそもそも占用許可ではなく道路使用許可になるので警察署に聞きなおしてくれというものだった。

窓口の担当者は初めて聞く相談らしく、困惑感いっぱいで「できれば俺に相談しないでくれ」感半端なかった。

 

あの警察署の担当にはこれ以上話をすると本気で怒られそうなのでここまで。

 

まとめ

いかがだろうか?ビジネスモデルとしては大変に有益だとは思うが、実現させるには現実問題としてまだ議論がされていないし、一窓口では判断もできないというのが僕の感想だ。

もちろんもっとしっかりと検討するのであれば行政の相談相手そのものから検討してみないといけないと思うが、少なくとも申請を扱っている窓口は真正面から相手にはしてくれないということはわかってくれたと思う。

 

ドローンの有用性は確かに素晴らしいとは思うが、これをマスビジネスに生かそうとするにはまだ議論の成熟と法整備が必要だと思う。つまり行政ではなくて立法へのはたらきかけも必要ということだ。

同様のビジネスモデルを考えている人がいれば、ぜひ参考にしてほしい。

監修

行政書士として年間300件以上の許認可・民事案件の依頼を受ける。
ドローンの許可・承認の取得は制度発足時から常に業界をリードし、実績と経験で他の事務所を圧倒する。
自身もドローンのユーザー(PHANTOM3 PROFESSIONAL)
行政書士 前場亮事務所
107-0052 東京都港区赤坂9‐1‐7 赤坂レジデンシャル534
tel 03-6679-2278(許認可)

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