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2016年10月13日のニュースで”ドローンを使って海上で無許可でビデオ撮影”の文字をみてびっくりした人も多いはずです。

いままでのセオリーですと、海上のドローンの許可は離発着場所の国土交通大臣の許可の検討のみというイメージだったのですが、今回のニュースで初めて”港則法”という法律が出てきたのです。

 

ドローンの海上飛行

”海上のドローン飛行で検挙”のニュース

では、そのニュースを検討してみましょう。

以下ヤフーニュースの引用です。
ドローン使い無許可でビデオ、撮影会社を検挙 有名映画やテレビドラマ制作協力も 東京海上保安部

東京港内の海上でドローンを使って無許可でビデオ撮影したとして、東京海上保安部は13日、港則法違反(無許可行事)の疑いで、水上撮影会社「ジール」(東京都港区)などを検挙したと発表した。同社は有名ミュージシャンのプロモーションビデオ(PV)や映画、テレビ番組などの制作協力をしている。同部は、同社が飛行禁止区域内でドローンを飛ばした航空法違反の疑いもあるとみて詳しく調べている。

同部によると、同社は9月26日夜、東京港のレインボーブリッジ付近の海上で、同社所有の作業船など5隻で船隊を組み、ドローンやムービーカメラで無許可でビデオ撮影した疑いが持たれている。検挙は8日付。撮影現場の責任者で同社の取締役撮影事業部長(58)も同容疑で検挙された。(引用ここまで)

ニュースの見出しを見ると海上でドローン飛行させたことを検挙の理由だとするようにも見えますが、もう少し注意深く見てみると違う見方ができてきます。

この検挙の理由は港則法違反です。港則法は港内の交通の安全や整理を目的に作られたものなので、当然海上を規制するものだととらえていいでしょう。

ここでニュースの「無許可行事」の言葉を見返してみてください。

スクリーンショット-18

港則法には32条に

特定港内において端艇競争その他の行事をしようとする者は、予め港長の許可を受けなければならない。

との条文があります。つまり、今回の検挙のニュースは港則法32条違反で、行事をするのに許可をとらなかったから検挙をされたのだということがわかります。

 

港則法の”行事”とは?

では、この行事とは何なのでしょうか。一般的なイメージで行くとお祭りやパレードなどを思い浮かべるのが普通でしょう。私も同じです。

港則法の行事も似たようなイメージで大丈夫でしょう。東京海上保安部の行事許可申請の手引きに以下のような文言があります。

船舶がふくそうする港内で行事を行うことは、一定の水域を占有し又 は通常とは異なる船舶交通の流れが生じることによって、他の船舶交通の安全を阻害するおそれがあるので、港長の許可を受けることとしたも のです。
行事とは、端艇競争、祭礼、集会、パレード、海上訓練、水上カーニ バル、水上花火大会、遠泳大会、海上デモ等一般的には、一定の計画の下に統一された意思に従って多数のものが参加して行われる社会的な活動をいいます。

これは港則法の趣旨を考えれば当たり前なのですが、海上の多くを占拠してお祭りや水上カーニバルを行えば港湾内の交通は麻痺してしまうでしょう。

そのため事前に許可をとり、ほかの港湾交通との調整をしましょうというのがこの制度の趣旨になります。

ここでもう一度ニュースを見てみましょう

 

”同社は9月26日夜、東京港のレインボーブリッジ付近の海上で、同社所有の作業船など5隻で船隊を組み、ドローンやムービーカメラで無許可でビデオ撮影した疑いが持たれている。”

 

つまり、今回の検挙のニュースは作業船など5隻で船隊を組み、ドローンやムービーカメラで無許可でビデオ撮影したことが港則法上の行事に該当するのにもかかわらず許可を取得しなかったことが違法性の論点で、ドローンの飛行そのものが論点ではないのです。

もちろんドローンでの空撮を目的に船隊を組んだのかもしれませんし、それが起点で今回の事件が起こったのかもしれませんが、検挙そのものの要因は海上占有の多寡であることは明らかです。

 

ドローン一機のみだったら?

では、これが船隊を組まずにドローンだけの飛行であればどうだったでしょうか?

おそらく今まで同様に検挙にもならず、ニュースにもならなかったでしょう。

もちろんドローンが船の上に落下して人やモノを傷つけたり、離発着場所がDID地区に該当するのに国土交通大臣の許可を取得しなかったり、200メートル以上の高度を飛行させた場合は法律違反ですから検挙されても仕方ありません。

しかし、ドローン一機のみの飛行で港則法違反になる、ということはなかなかイメージしにくいですね。

 

論点は出そろった?

ドローンは2015年ころから注目度が高くなり、ようやく社会的に経験値が蓄積されてきたようです。

そして港則法の問題がフォーカスされたことである程度の論点は出そろったとみていいでしょう。

航空法、ドローン飛行禁止法、道路法、民法、、軽犯罪法、自治体の公園条例・・・さらに港則法の登場でほぼすべての空域は法的判断ができそうです。

もちろんこれら以外の論点も今後出てくるでしょうし、法改正によってもまた様々な問題衝突も出てくると思いますが、そうやってすこしずつ社会になじむしか方法はないと考えています。

 

 

今回の事件でドローンは一要因に過ぎないのに”ドローン事件”として扱われるのは、要するにドローンがそれだけ注目されているということです。

ドローンユーザーにとって法令順守は当たり前ですが、そのうえで過剰反応しないように気を付けましょう。

監修

行政書士として年間300件以上の許認可・民事案件の依頼を受ける。
ドローンの許可・承認の取得は制度発足時から常に業界をリードし、実績と経験で他の事務所を圧倒する。
自身もドローンのユーザー(PHANTOM3 PROFESSIONAL)
行政書士 前場亮事務所
107-0052 東京都港区赤坂9‐1‐7 赤坂レジデンシャル534
tel 03-6679-2278(許認可)

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