行政書士は書類作成の専門家なので、行政側がどのような申請書を望んでいるのかということを知っている人が多いと思う。
もちろん事実を曲げて申請するということはできないが、”行政が審査しやすい申請書”が最も望まれる申請書だということは間違いないと思う。
ドローンの許可制度は平成27年12月にできたばかりなので、はっきり言えば申請のテクニックは全くの実験段階で私も含めてほとんどの行政書士が手探りでやっているのが現状だと思う。
しかし、それでも私はほとんどの許可申請を1~2回の補正で受理されるし、同様の事案であれば一発で本審査に入ることが多い。
たしかに多くの申請をこなせばそれだけノウハウが蓄積されるから当然といえば当然だが、”経験値”の一言で片づけてしまうのは一般の方にとってはあまりにも大雑把すぎると思う。
そこで、最小限「ここまでの完成度に仕上げよう」というラインを目標値として、その技術上のポイントを紹介したいと思う。
前回までの説明はいってみれば枝葉の部分だが、今回は幹の部分をお伝えするので面倒に感じる人も多いと思うが、ぜひ参考にしてほしい。
Contents
申請書の完成度をあげる
レベルに達していない申請書を扱う担当官の身になろう
最初に大変耳が痛いと思うが、私のところに依頼をいただくクライアント様のうち、3分の1は何とか自分でやりたいと手を尽くしていて、そのなかのさらに半分は「途中まで自分で申請したけど、国土交通省の態度が悪くて腹立ったので行政書士に依頼した」ということを聞くことがある。
クライアント様のことなので言いにくいのだが、この場合はほとんどは手書きの申請書で事前の調整も行わず、いきなり自己流の申請書を郵送で送るパターンだ。
よくよく聞くと申請書の中身は資料不足であったり矛盾があったり、ひどいのになるとわからないところは白紙で出すということもあった。
もしあなたが国土交通省の担当官だったらどう思うだろうか?私だったら「ほかにもじゃんじゃん申請が来るのに、一つ一つ丁寧に説明していたら時間ばかりがたってしまう」と思うだろう。
ここまでひどいのはさすがに数少ないが、指摘する部分がありすぎて説明しきれないのに「具体的に説明してくれ」といっても、じゃあもう少し準備してからしろよというのが本音だろう。
腹の立つ人もいるかもしれないが、担当官の立場からすれば少ない人数で膨大な量の申請を扱うので「それならもっと人員を増やしてくれよ」と言いたくもなるだろうという心理も知っておいて損はないだろう。
PDFで順番どおりにまとめる
では、どうすれば審査に耐えうるレベルに達するのであろうか?
まずは画像を処理して一つの申請書を作成し、それをPDFでひとつづりにまとめるくらいはしよう。
申請書の順番は、おおまかにいって
①申請書‐1
②申請書‐2
③別添資料1 飛行経路
④別添資料2 無人航空機の製造者・名称・重量など
⑤別添資料3 無人航空機の性能面の確認書
⑥別添資料4 無人航空機の運用限界
⑦別添資料5 無人航空機の追加基準への適合性
⑧別添資料6 無人航空機を飛行させる者の一覧
⑨別添資料7 操縦者の知識・経験・実績の確認書
⑩別添資料8 操縦者の追加基準への適合性
⑪別添資料9 飛行マニュアル
この順番でPDFにまとめよう。
申請するカテゴリーに合わせよう
次に、あなたが申請しようとしているカテゴリーに合わせて申請書をつくることも完成度をあげるうえで必要不可欠だ。
当たり前だが、たとえば夜間飛行をしたいのに夜間飛行の追加基準を満たしていなかったり、農薬散布なのに物件投下が入っていなければ「この人はロクに準備していないな」と思われても仕方ないだろう。
国土交通省はある程度のひな形を発表しているのでそれをしっかり確認し、そのうえで申請するカテゴリーに合わせた書類を作成しよう。
手書きの申請書はやめよう
パソコンに疎い方には申し訳ないと思うが、手書きの申請書で作成しても、ほぼ100%修正が入るので、担当官の立場からすれば「また手書きをさせることになる」と思って修正するのにも気後れしてしまうだろう。
いまのところドローンの許可申請は、まずはメールで調整をしてそのうえで受理をするというスタンスなので、手書きの申請書を郵送で何度もやり取りをするというのは予定していないと考えたほうが無難だ。
最低限、PDFの編集ソフトをつかいそれをまとめる程度でいいのであらかじめ準備しよう。
参考資料を用意しよう
当事務所の場合申請書をひとまとめにして、それとは別に担当官がほしいだろうという情報を参考資料としてまとめて提出している。
担当官がほしい資料とは、たとえば民間のドローン講習会の受講証明だったり、ドローンの保険の契約書などだ。
これらをひとまとめにして、最初に申請の概要として簡単な説明書を添えるようにしている。
まとめ
いかがだろうか?見る人から見れば「これじゃあ一部の人しか申請できないじゃあないか」と腹を立てることもあるかもしれない。私もパソコンに疎い立場だったら同様の思いを抱くと思う。
しかし、予算は無限にあるわけではないし、申請しやすい書類と申請しづらい書類の二つがあったら申請しやすい書類に先に許可を下ろしたいと思うのが人情ではないだろうか?
国土交通省は行政機関なので当然平等にすべての申請書を扱わなければいけない。そのうえで彼らもひとりひとり血の通った人間が審査しているということは無視できない事実だろう。
残念ながら自分では申請できなかった人のなかにも、ほとんど完成に近いのにPDFにできなかったり、画像処理ができなくて残念な結果になったというパターンも少なくない。
できればこのページを参考にしていただき、自分で申請する一助にしてもらえると幸いだ。
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